こんにちは。ヒロヤ(@asobi_kurashi)です。
会社員で吃音症の方なら、吃音を上司に相談するべきか、悩んでる人は多いと思います。
これに関しては、すごく難しい問題ですよね。
今まで問題無く過ごしていたなら、あえて言う必要も無いという考え。
カミングアウトしたら、変な人扱いされるかもという不安。
吃音の症状による問題が多く、相談したいけど理解される自信が無い。
仕事に支障は無いけど、黙ってる事が精神的にキツい。
などなど、きっと人によって様々な考え方や意見があるはずです。
それは僕も同じで、職場でカミングアウトをするのには時間がかかりました。
結果的に、僕の場合は上司に相談して良かった面が多かったですね。
ただし、必ずしも満足のいく結果に繋がるかは不明なので、ある程度の覚悟や注意は必要になります。
それでも、僕の体験談が職場でのカミングアウトに悩む方の参考になれば幸いです。
この記事のもくじ
吃音で仕事が辛いと感じる時

吃音で挨拶ができない
吃音の悩みは人によって様々ですが、ある程度の人に共通するのは挨拶やお礼だと思います。
「おはようございます」「ありがとうございました」が言えない時の辛さは、精神的な負担がとても大きいです。
特に新人の頃は、先輩や上司より先に挨拶をするという風習に悩まされる方は多いはず。
僕自身は難発で、上司の前に立って「おはようざいます」の「お」が出ずに、身体を震わせた事が何度もあります。
あの時って、「いや、違うんです!」「あのーそのー、違うんですよ!」と、謎の言い訳タイムが始まるんですよねw
上司の顔は、もちろん「???」
「上司よ…意地を張らないで先に挨拶してくれ」と、心では流暢な話ができるのに。
今になれば理解できますが、上司も会社員です。
きっと会社の風習を守る事に必死だったんですよね。
けっきょく、その会社は1年3ヶ月で退職。
当時は接客販売の仕事でしたが、吃音は誤魔化しながらも、大きな問題にはなりませんでした。
挨拶やお礼という、当たり前の事ができない時があるという小さな積み重ねが、退職を決めた理由です。
吃音で電話ができない
吃音の悩みで、もっとも多いのは電話での会話でしょうね。
「もしもし」が言えなくて、相手側からは「あれー?おかしいなー」という声が聞こえてくる。
会話の途中で言葉が詰まれば、「もしもーし、電波悪いですよー」という声が聞こえてくる。
特によく電話をする企業や担当者なら、なおさら辛いです。
21世紀の日本で、そんなにしょっちゅう電波障害が起きるわけないでしょうよ…
出先や1人の時は、まだましですが、オフィスや周りに同僚がいると最悪ですよね。
僕は、全員が聞き耳立ててるかもという根拠の無い恐怖に襲われていました。
吃音で意見が言えない
ミーティングや同僚との食事会で、自分の意見が言えない時も辛いですよね。
意見はあるのに言葉が出なくなったらと思うと、発言をしないという無難な選択をしていました。
「この意見についてどう思う?」と聞かれても、「良いと思います」などの簡単な返事しかできない時も。
特に悔しいのは、食事会で面白い話ができない事ですね。
ここだ!という場面で、言葉が出ずに会話に入れない。
3テンポ遅れて言葉が出ても、「まだその話するの?」という空気感。
面白い事を言おうとするのは、あきらめました。
他にも細かい事は沢山ありましたが、僕が特に気にしていたのはこの辺りですね。
☟関連記事【吃音の改善方法】


吃音を上司に相談するとどうなる?

吃音を上司に相談するメリット
吃音を上司に相談した後に考えられるメリットは沢山あります。
100%の理解は無理だとしても、業務に支障がない範囲ならサポートしてくれるはずです。
もしかすると、電話を取る回数が減るかもしれないし、挨拶ができなくても注意されないかもしれません。
それまでに吃音で不安に感じていたストレスが減ることによって、自身のパフォーマンスが向上する可能性もあります。
信頼できる上司と偏見を持たない同僚が周りにいるなら、相談してみる価値はありそうですね。
吃音を上司に相談するデメリット
メリットと同じく、吃音を上司に相談した後に考えられるデメリットも沢山あります。
相談しても何も対応は変わらず、電話と挨拶で吃るたびに、「あいつは電話と挨拶もできない」と言われるかもしれません。
他の仕事を完璧にこなしていたとしても、障害者という偏見を受け続ける可能性もあります。
2016年4月から「障害者差別解消法」が施行されましたが、それでも差別的な態度や発言をする人は絶対にいるはずです。
働く環境がしっかりと整っている職場なら、問題は無いと思いますが。
もし、上司や同僚が偏見を持つタイプの方たちなら、吃音のカミングアウトには注意が必要でしょうね。
吃音を職場でカミングアウトした話

吃音を職場でカミングアウト
ある時、僕は思い切って職場の上司や同僚に吃音をカミングアウトしてみました。
「確かに何度かそういう時あったけど、気にならない程度だったよ」
という答えがほとんど。
覚えているという事は、少なからず気になってはいたけど、仕事上の問題は無いという事だと思います。
上司には、特に電話が苦手だと伝えると、「毎回は無理だけど、できる時は周りでサポートする」とも言ってくれました。
その後も周囲の態度は変わらず、僕の吃音よりも、忙しい日々の仕事に必死な様子でした。
吃音をカミングアウト後の変化
良い意味で周囲の変化はあまり無かったけど、自分自身の気持ちは楽になりました。
あいかわらず電話は怖かったですが、いざとなれば変わって貰えるという安心感。
実際は、それまでの業務でなんとかなっていたので、電話を変わって貰った事はありませんでした。
他にも、意見が言えない時は、紙に書いて提出。
挨拶は、調子が悪ければ笑顔と会釈だけ。
吃音の症状が減ったとは思いませんが、吃音を気にする回数は大幅に減りました。
結果的に、ストレスの現象にも繋がったので、カミングアウトして本当に良かったです。
まとめ:吃音を上司に相談して良かった
初めて吃音をカミングアウトした会社は、すでに退職しています。
もちろん吃音が原因では無く、新しい事に挑戦するための退職でした。
その後に働いた職場でも、最初から吃音だと伝えています。
その代わり、他の仕事は真面目に行い、周囲からの信頼を得る努力はしています。
僕の吃音は軽度なので、今のところ「気にならない」と言ってくれる人たちしかいませんでした。
それでも、どこかには必ず、障害、人種、性別、年齢などの差別をする人はいます。
今いる職場がそういう職場なら、カミングアウトはせずに、転職を考えるのも1つの手かもしれません。
信頼できる職場なら、上司や同僚に相談してみるのはベターな選択だと思います。
吃音で苦労しながらも得た環境を辞めるのは勿体無いし、再就職の面接が怖い人もいるからです。
でも、もし相談した事で不都合が起きるような職場なら、そんな環境で働き続ける方が勿体無いですよね。
それがわかるだけでも、吃音の相談やカミングアウトをする価値は十分にあるはずです。
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