こんにちは。ヒロヤ(@asobi_kurashi)です。
周囲から吃音をからかわれて、恥ずかしい思いや悔しい思いをした事はありませんか?
僕は、運よくあまりからかわれた事がなく、友人からは面白くイジられる程度で済んでいました。
もちろん、恥ずかしい思いや悔しい思いをした事は何度もあります。
「からかう」と「イジる」は、受け取り側の気持ちで変わると思うので、イジるのが良い事なのか悪い事なのかはわかりません。
特に吃音は理解されづらい障害なので、相手には上手く説明が出来ないと思います。
場合によっては、「いじめ」になる事もある難しい問題ですよね。
克服と言っても、吃音の症状が出なくなったわけではなく、吃音の自分を克服したという意味です。
あいかわらず難発で苦労する時もありますが、精神的な不安は減少して生活がとても楽になりました。
なんと、吃音が克服できたのは、友人のイジリがきっかけだったんです!
今回は、僕がどんなイジリをされて、吃音の自分を認める事ができたのかについてご紹介していきます。
吃音で悩む方にとっては、嫌な思いをする例や表現があるかもしれませんが、どうかご了承してご覧ください。
この記事のもくじ
吃音をイジられた中学時代

難発発症中の顔マネをされた
僕が初めて吃音をイジられたのは、中学2年生の時でした。
イジってきた相手は、小学校から高校まで同じ学校で、合計で4年間クラスが同じだった幼馴染のY君。
典型的なイタズラ好きで、誰にどんな酷いイジりをしても許される、良い意味の人たらし。
先輩後輩、男子女子、先生からも好かれるタイプでした。
人の特徴や個性を大袈裟な顔マネで表現するY君にとって、僕の吃音はイジりがいのあるネタだったと思います。
僕は難発の症状が出る時に、顔や上半身に力が入り、小刻みに震えながら声を絞り出す事があります。
中学2年生の時、吃音で僕の強張った顔に我慢できなくなったY君は、「ヒロヤのマネ」と言いながら大袈裟な顔マネを披露。
唐突に大袈裟な変顔を見せられて、戸惑いながらも「こんな顔になってるんだ」と、少しショックを受けた僕。
さすがに、他の同級生たちからは「それ真似しちゃダメだから!」というツッコミが起きました。
ところが、Y君は悪びれた様子もなく「ヒロヤはこういう人間だから」と言いきったんです。
幼馴染だった僕とY君に信頼関係があっての言葉ですが、「ヒロヤはこういう人間だから」の言葉を聞いた後に、突然「これも僕の一部なんだ」という事に気づいたんですよね。
吃音者に結婚式のスピーチを頼んだY君
Y君とは、高校を卒業してからは数回しかあっていません。
最後にあったのは、Y君の結婚式でした。
Y君は僕に友人代表のスピーチを頼んできたんです。
正直、自分の晴れ舞台に吃音者にスピーチ頼むか?と思いました。
「言葉が詰まっても良いから、ヒロヤにスピーチして欲しい」の言葉を聞いた時に、やっぱりY君は僕の吃音を個性として認めてくれていた事の再確認ができました。
Y君が僕の吃音をイジってくれたおかげで、吃音は恥ずかしい事じゃないと思えるようになったんです。
吃音が個性になった大学時代
イジられ過ぎて悩みは消えた
大学生の時に、Y君とは比べ物にならないくらい吃音をイジってきたAちゃんという友人ができました。
当時、介護職員をしていたAちゃんは、障害のある方への理解があります。
障害への理解と仲の良い友人(僕)という事が重なり、良い意味で僕の吃音をイジり倒してくれました
僕の吃音が面白くなれば必ず笑い、面白くなければスルーします。
例えば、机の角に脚をぶつけて、面白くなる時とならない時の感覚。
Aちゃんの発想が面白いのは、ただイジるだけではなく、カラオケや漫画喫茶で僕に電話注文をさせる事です。
友人同士の身内ノリで、あえて苦手な事をさせて、面白くなるパターンのやつです。
断ろうとすると、「1人の時はどうするの?」と優しさを見せるふりをして、面白い事が起きないかを期待する性格の悪いタイプ。
そして、実際に吃音の症状が出ると、僕を含むその場にいる全員を笑わせるカリスマ性。
類は共を呼ぶのか、Aちゃんがきっかけでよく遊んでいた友人3人も、僕の吃音を面白くイジるようになりました。
僕の言葉が出ない時の不甲斐ない表情で、友人たちが爆笑するという身内ネタは僕も大好きです。
後に知ったAちゃんの配慮
後になって知った話ですが、Aちゃんはカラオケのバイト経験があり、漫画喫茶好きでもあったので、店員さんが暇なタイミングをある程度知っていたそうです。
思い返してみると、吃音で言葉が出ないのに店員さんがイライラした口調だった記憶は無いんですよね。
もしかすると、Aちゃんなりに話す練習をさせてくれてたのかもしれません。(いや、ないな…)
友人たちが、吃音の僕と普通に接してくれた事で、僕は自分の吃音に納得する事ができました。
納得する事で、僕は吃音から逃げずに、吃音と向き合う事ができるようになったんです。
吃音はイジられて克服できた

吃音の克服は周囲の理解が大切
僕の吃音をイジる友人たちは、全員が面白いと思わない限り、絶対に僕の吃音をイジりません。
遊ぶメンバーを見て、笑いになればイジる。
笑いにならないメンバーなら、僕の代わりに注文をしてくれます。
変な心境かもしれませんが、いつの間にかイジられない事が寂しく感じるようになりました。
友人たちは、笑いながら面と向かって「バカにしてるよ!悪い?」と言ってくれます。
言葉は悪いかもしれませんが、僕が吃音で苦しんでる事を理解しているからだと思うんです。
僕には、彼らなりの「気にするな!」に聞こえます。
その代わり、僕が相手のコンプレックスを全力でイジっても、爆笑してくれます。
友人たちに恵まれてラッキーだったと思うし、結果的に吃音の悩みは克服できました。
吃音を不安に思う必要はない
上手に話せる話せないは関係なく、必ず吃音の症状は出ます。
必ず吃音の症状が出るなら、不安に思う必要は無いですよね。
必ず症状が出るんだから、症状が出た時や出ないようにする対策を考え方が良いです。
僕のコンプレックスは吃音ですが、納得して落とし込む事で克服しました。
落とし込む事ができてからは、吃音が出た時の対応と改善方法を探す事に専念しています。
時間はかかりましたが、今では吃音の症状は少なくなりました。
吃音が出た時の対応と改善方法については、【悲報】大人の吃音は治らない?でも改善方法や話し方のコツはある!で紹介しています。
興味のある方は、是非こちらの記事もご覧ください。

吃音イジりは「いじめ」に感じない?
リスペクトの無いイジりは「いじめ」
吃音をネタにされる事が「イジり」に感じるか、「いじめ」に感じるかは人によりますよね。
コンプレックスは、ネタにする側とされる側の関係性や歴史によっては、イジって良い場合も多々あります。
もちろん、相手が本当に嫌がっているなら、イジるのはゼッタイ。ダメ。
初対面や知り合って間もない関係なら、イジるのはゼッタイ。ダメ。
相手へのリスペクトが無いイジりは、ただ見下してバカにしているか、僕が使っている言葉で言えば「差別」です。
僕の場合は、面白くしてくれるなら初対面からイジって貰って大丈夫です。
ただし、相手が面白い事を言ってくれそうと期待する相手にしか、初対面でのカミングアウトはしません。
リアクションに困る人も多いけど、吃音をカミングアウトしても態度を変えない人は、差別をしないフレキシブルな人だと思います。
吃音をイジる前に
友人の吃音をイジりたい、もしくはすでにイジっている人もいるかもしれません。
あえてイジる必要は無いですが、どうしてもイジりたいなら、気をつけて欲しい事があります。
まず、吃音症は多くの人にとって、とても辛い障害です。
吃音をイジりたいなら、吃音症の相手との信頼関係を築いた後に、イジって良いかの確認をしてください。
吃音症の相手との信頼関係が築けていれば、イジって良い可能性は高くなります。
見下してバカにするのは、吃音や障害に対する差別です。
どうか、偏見を持つ大人にはならないでくださいね。
まとめ:吃音の克服方法は自分しだい

数年前、Aちゃんからの電話が鳴り、「テレビ見て!」と興奮気味に言われました。
すぐにテレビをつけると、吃音の特集をしていたんです。
その時に自分の症状と同じ人が大勢いる事を知り、「吃音」という名前である事を知りました。
名前を知った事で、吃音について調べる事ができ、友人や職場の同僚に対して説明がとても楽になりました。
情報を教えてくれたAちゃんには、感謝しか無いですね。
僕は友人たちのイジりのおかげで、自分自身の吃音に対する考え方が変化し、吃音を克服する事ができました。
一番の変化は、友人たちといる時は吃音の事が全く気にならなくなった事ですね。
この克服方法は僕の経験なので、吃音をイジられたくない人には理解されない事例だと思います。
だけど、イジられるという克服方法もあるという事を知っていて欲しいです。
どこかに、あなたが考えもしなかった吃音の克服方法があるかもしれないからです。
吃音を気にしない時間があるって、すごく良いんですよね。
ストレスフリーな空間で、今でも僕は心地良く吃音をイジって貰っています。
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