こんにちは!ヒロヤ(@asobi_kurashi)です。
僕は大学を卒業してからの10年間で、正社員を5年間と非正規社員を5年間していました。
正社員は、2つの会社で接客販売を1年半と営業を3年半。
非正規社員では、レストランのホールスタッフ、宿泊施設のコンシェルジュ、アウトドアガイド、などなど。
社会人になってから、ほとんどが人と関わって話をする仕事をしてきました。
と思った方もいそうですが、それは少し違います。
たしかに、最初に正社員で働いた会社だけは、吃音が原因で退職しました。
ですが、それ以外の転職は、色々な仕事や生活スタイルを経験してみたかったからです。
吃音症の方で、これから就活や転職やアルバイトを始めようと考えていると、
「吃音でも接客業はできるの?」
という事が気になりませんか?
吃音者にとっては、仕事選びの重要なテーマですよね。
結論から言えば、不便は多いですが、吃音でも接客業はできる方が多いと思います。
もちろん、人によって仕事の向き不向きはあるので、それを差し引いて考えた場合です。
その経験や体験談をもとに、吃音者が接客業をする難しさと努力の必要性についてお話していきます。
この記事のもくじ
吃音に向いてる仕事はある?

吃音は話さない仕事が向いてる?
吃音の悩みで多いのは、「話す事が苦手」だと思います。
仕事は、ミスが起きないようにする事が大切です。
そのため、しっかりと相手に内容を伝えないといけません。
コミュニケーションの1つとして、話す事は重要なツールの1つです。
それをふまえた結果、話さなくて良い仕事の方が、吃音には向いていると言われる理由でしょうね。
もし、話す事が精神を病むほど大きなストレスになるなら、僕も絶対に話さなくて良い仕事を選びます。
話さない仕事は無い?
色々な方が、人と話さなくて良い仕事はたくさんあると言います。
残念ながら、吃音者にとっての全く人と話さなくて良い仕事は少ないです。
僕がよく勧められた仕事は、工場のライン作業やビルなどの清掃員。
たしかに、人と話す機会は少ないイメージのある職種ですが、職場の人とは絶対に話しますよね。
ライン作業の経験は無いですが、僕は清掃員のアルバイトをしていた時に、先輩や上司と話す機会が多かったです。
業務上の話だけでなく、趣味や学校生活など、プライベートな話もしていました。
僕の場合は、店舗に来る名前も知らない大勢のお客様より、明日も必ず会う同僚に吃音がバレる方が怖かったです。
もちろん、吃音者全員の意見では無いですが、このように考えている吃音者もいます。
「吃音者が求める話さなくて良い仕事」と「一般的に考える話さなくて良い仕事」には、大きなギャップがあると思います。
本当の意味で話さなくても良い仕事は、ネット通販、デザイナー、ブロガー、投資家、などでしょうか?
それでも、仕事上で誰かと話す機会は必ずあるはずだし、メール対応などのコミュニケーション能力は必要ですよね。
吃音でも接客業はできる

吃音だけど接客業を選んだ理由
すごく単純な理由で、僕は接客業がやりたかったんですよね。
色々な人と話をするのが好きだし、人と話すのも得意です。
どちらかと言えば、パソコンなどのガジェットを使うセンスが無く、当然ながら電話は苦手。
事務やテレアポなどの営業は出来ないと思いました。
ただし、どんな仕事でも挨拶や電話はする機会がありますよね。
挨拶や電話についてのコツは、吃音で挨拶や電話が苦手だったけどコツを掴んでストレスが激減した話で紹介しています。
興味のある方は、是非こちらの記事もご覧ください。

吃音で接客業をするストレスと難しさ
吃音でも接客業はできますが、吃音に関するストレスも多いです。
仕事をしていれば、少なからずストレスは感じます。
販売なら売上げを意識するストレス。
アウトドアガイドなら、怪我などのリスクマネジメントへのストレス。
レストランなら、クレーマー対応のストレス。
吃音の場合は、それ以外に言葉が出ないかもしれないというストレスが加わります。
吃音に限る事でが無いですが、真面目な人ほどストレスを感じますよね。
吃音で悩む人は、「ちゃんとやろう」という真面目な気持ちがあるから悩みも大きくなると思います。
もう一つ、吃音者を悩ませている難しい問題があります。
それは…
「バレないようにするか?カミングアウトするか?」
理由は、僕自身がそれで上手くいくことが多くなったからです。
僕の場合は、接客中の吃音は特に問題がありませんでした。
だけど、挨拶と電話だけは苦手意識を持っていたんですよね。
挨拶と電話に対して、「緊張するからしたくない」と「声が出ないからしたくない」は、大きな違いですよね。
吃音を理解されるのは難しいですが、カミングアウトする事で吃音の悩みが減る可能性は十分にあります。
職場でのカミングアウトについては、吃音で仕事が辛い人は必見!上司に相談するメリットとデメリットは?で紹介しています。
興味のある方は、是非こちらの記事もご覧ください。

吃音で接客業は努力が必要

吃音を覚悟して接客する
職種に限らず、努力しながら働いている人は大勢います。
努力をしたく無い人や、努力をしなくても出来る人は、無理に努力をする必要は無いと思います。
周りに迷惑をかけなければ、人それぞれの考え方や行動をすれば良いですからね。
僕は「やるからにはちゃんとやりたい」ので、必要なら努力は絶対にします。
だけど、吃音をバレないようにする努力は精神的にとても辛かったです。
吃音をカミングアウトしてからは、吃音を改善しようという努力に変わりました。
この違いは、僕にとって大きな変化だったんですよね。
吃音で接客業を選んだ場合は、言葉が出ない時が必ずあるという覚悟が必要です。
言葉が出ないだけで、言葉が出る人よりも努力する事が多くなります。
僕は吃音の症状が出ないように、普段から体調管理や試行錯誤を繰り返しています。
それでも吃音の症状が出た時のために、対応するパターンを用意しておくと安心です。
僕の場合は、オリジナルの3パータンを使っています。
パターンA:話のすり替え
パターンAは、関連のある話にすり替える方法です。
言葉の言い換えにも似ていますね。
自分が出せる言葉の中で、関連のある情報を伝えます。
例えば、小さいサイズのTシャツを求めているお客様がいたとしたら、
など、新しい情報も伝えてから、最初に言おうとしていた情報は言葉が出るタイミングで言うパターン。
それがお客様にとって有益な情報なら、喜ばれる事も多いです。
パターンB:場を離れてリセット
パターンBは、大事な事を思い出したように、一度その場を離れてリセットする方法です。
これは少し失礼な行動になる可能性もありますが、上手にやれば問題ないと思います。
など、一人芝居のようなセリフで、一度その場を離れてサイズや傷み具合の確認などの仕草を見せます。
軽めの深呼吸をしてから戻り、
など、しっかりとした言葉で対応すれば、失礼に感じる人は少ないはずです。
パターンC:相手を褒める
パターンCは、言いたい言葉が出ない時に相手を褒める方法です。
少し驚いた顔をしながら、
など、少しマニアックな箇所を褒めるのが良いですね。
理由は定番の褒め言葉は、最初に接客した段階で無意識に使っている事があるからです。
そもそも、どんな事でも褒められて怒る人はあまりいませんよね。
むしろ、突拍子の無い事を言われたお客様は、緊張がほぐれて場が和む事も多いです。
幻のパターンDも用意
僕は前述した3パターンを、吃音の症状が出た時の状況に合わせて使い分けています。
接客相手や職場によっては、きっと出来る事と出来ない事がありますよね。
試してみる時は、僕のパターンを参考にしながら、自分が出来る方法を考えてください。
3パターン全てを使い切ったら、吃音で言葉が出しづらい事を相手に伝えましょう。
僕の場合は、そこまでになった事は無いですが、いよいよ対応する手段が無くなれば、最後はそうするつもりです。
良くも悪くも、吃音はあまり知られていないので、おそらく障害だと認識される事は少ないでしょうね。
いざという時の準備をしておけば、安心感も生まれ、パターンABCも使いやすくなると思います。
まとめ:吃音でも接客業はできるけど努力は不可避
吃音の人は無口なイメージがありますが、「喋るのは好き」「本当は喋りたい」という人も多いようです。
適材適所という言葉はありますが、挑戦する権利はみんな平等にあります。
特に吃音が原因で接客業に踏み込めない学生さんは、まずやってみるのが良いです!
後になって後悔するくらいなら、やってから後悔した方が得られる事は多いはず。
吃音を気にしないのは無理ですが、対策をとれば問題なく接客業もできると思います。
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